ジャニーズWESTの音楽は、私の涙を肯定してくれた。
新しい環境に立って1日目の帰り道。
なぜか、なぜか涙が出そうで仕方なかった。
大きなミスをしたわけでも、傷つけられたわけでもない。
誰に何を言われたわけでも 誰に何を言われなかったわけでもないのに、お仕事を終えて職場から1歩離れたその瞬間、どういうわけか何かがブワァッと込み上げてきた。
駅に着くまでになんとか落ち着かせねばと、耳にイヤホンをぶっ込んでiPhoneに入っている音楽のシャッフルボタンを押した一発目。
こんなにも笑って いや泣いて
忙しなく叫ぶ君の心は
頑張っている証拠だよ
人目もはばからず、歩きながらダバダバ泣いた。泣いてしまった。
「ちょっと泣きそうなんで、空気違うかもしれないですけどいいですか? 今日楽しかったですか!!」で泣き始めた流星さんの気持ち、今ならわかる。わかるヨ…
結構な回数聴いてきたはずなのに、リリースから約1年半経った今、この「いや」の強さにバチボコにやられた。
自然に笑えている幸せな日々ももちろんあるけど、人生そんな日々ばかりじゃなくて、どうしても涙を堪えきれない日もあって、笑ってなきゃって思うから泣きたくなる日もあって、実はむしろそんな日の方が多くて。
でも社会を生きる人間って、なぜかそういう自分の気持ちに蓋をする。見て見ぬふりして、気丈に振る舞うのが正解だって思い込んでる。
自分なんかまだまだだと思うし、自分なんかが弱音吐いちゃいけないと思うし、自分なんかのツラさは“ツラい”の内に入らないと思ってる。
ホントは超頑張ってるのに、めちゃくちゃ頑張ってるのに、自分の頑張りを素直に認めてあげられない。
だけど私の愛するアイドル ジャニーズWEST は、わけもわからず溢れる涙は “私の心の叫び” で、わけもわからず溢れた涙は “頑張っている証拠だよ” と、力強くあたたかく 訴えかけてくれた。
お仕事を終えた時は“しんどかったな〜!頑張ったな〜!” なんて微塵も思わなかったけど、私、今日頑張ってたんだな。そう思えた。
そう思えたら、余計に涙が止まらなくなった。もう駅着いちゃったよ?どうしたらいい?(知らねーよ)
『証拠』が終わったのでとりあえず来た電車に乗ってみたら。
うまく笑えない今日の 涙は僕とはんぶんこ
ひとりの思い出ふたりにしよう 何倍も笑えるね
もう、無理だった。
花粉症の時期でもないのに上向いて鼻水すすりまくってるオンナ、相当不審だったと思う。
私の真向かいに座ってたおっちゃん、怖い思いさせてゴメンネ。
理由のわからない涙があった私は、「泣くな」とは言わず、「笑え」とも言わず、「シェアしよう」と言ってくれた音楽に やさしく抱きしめられたような気分だった。
愛。でっかい愛だよ。ジャニーズWEST。
考えてみれば、『証拠』、『はんぶんこ』だけじゃない。
ジャニーズWESTの音楽は、そして重岡くんが作る曲は、涙 という人間の弱さ脆さすら全肯定してくれる音楽ばかりだった。
あなたの涙は あなたゆえの涙で
きっとあなたの魅力のひとつだと思う
──『僕らの理由』
頑張れなくていい 嫌になったっていい
情けなくていい ダサくていい 怖くなってもいい
どんな自分だっていい
──『間違っちゃいない』/『間違っちゃいない。』
真昼間の月に 種を植えてみたくなったのは
いつか君を襲う夜の底 一輪の光を
──『ムーンライト』
大丈夫 何回だって何万回だって 声に出せばいい
悲しみも抱いて泣いて
笑って分け合ってきた僕らなら
──『アメノチハレ』
頑張りすぎな君だけど 無理をしちゃう君だけど
僕から君への処方せん 隣にいること
──『Change your mind!』
大きな涙溢れる日も いつだって僕が
でっかい愛が抱きしめる
──『でっかい愛』
「つまずきそうな時、涙で景色が滲む時。
あなたのジャニーズWEST、出番です。」
──『マ・ル・モ・ウ・ケ!』
上記だってほんの一部で、もっともっと、もっとたくさんのジャニーズWESTの音楽が 泣いている自分 や 弱まった自分 のそばに居てくれた。
そばに居て、「泣いたっていい」と言ってくれた。
泣いたら泣いた分、綺麗な虹が見られると教えてくれた。
自分がツラくて自分のために流す涙って、カッコ悪い通り越してダサいし、極論、ズルい。
今までずっとそう思って生きてきた。
でも多分、違うんだなぁ。
自分のために流す涙は、自分を認めてあげるための涙 なんだなぁ。
私は今まで、自分の本心を自分として認めてあげてなかったんだなぁ。
まだほんのちょっとだけど、前よりもちょっとだけ、自分のことを好きになれた気がする。
きっと頑張ってるよ、私。
でも、まだいけるよ、私。
闘おう。
鍛冶屋がくれたいろんな武器背負って、これからも。
そうさ アメフリからレインボウ
七色に濡れた空 ドキドキさせて
ほんの少し僕らを 背伸びしてた分だけ
大人に変える
キミは アスファルト飛び跳ねる
光の粒のように 僕を包んで
雨上がりのハートに 大きな虹を架けるんだ
また 歩き出そう
──『アメフリ→レインボウ』
これが、私のまた立ち上がれる理由だから。
2021.11.14