ここだけの話をしよう

世界が終わっても 君を終わらせないんだ

『バニラかチョコ』、天才で鬼才。

 

 

ジャニーズWEST 17thシングル『でっかい愛/喜努愛楽』の通常盤に収録されているc/w『バニラかチョコ』。作詞作曲、重岡大毅

 

CDを手に入れる前から、JEのHP(https://www.jehp.jp/s/je/discography/JECN-0654)にある「多くの人が思わず共感するあま〜いラブソング」という謳い文句に頭を抱えていたのだけれど。

 

あの、バカ だった。

重岡大毅、天才すぎて、バカだった。

 

兎にも角にも重岡大毅さんという天才に、いや、鬼才に、今この時点で出逢えている自分が誇らしくてしゃあないので、私は綴るよ。

『バニラかチョコ』に詰め込まれた ジャニーズWEST 重岡大毅 の天才ぶりを。

 

 

重岡大毅は、世界観 の天才。

小瀧さんも大絶賛してたしいつか本人も言っていたけど、重岡くんは狭〜〜〜い世界観を描く天才だと思う。今回の『バニラかチョコ』だって、重岡くんが描いたのは、彼女と口喧嘩して家を出て、コンビニで買ったアイスが溶けないうちに家に帰るまでの、ほんの数十分

このほんの数十分に、主人公「僕」の、彼女「君」に対する想いも思い出も彼女といる自分の気持ちも情景描写も、見事なまでに詰め込まれている。

 

ほんの数十分の世界に、一体何がどれだけどのように詰め込まれているか、以下でうるさいほど語りたい。

 

 

重岡大毅は、対 の天才。

『バニラかチョコ』。表題からみえる ふたつ の物語。「君」と「僕」の ふたり の物語であろうことも、大体想像がつく。

重岡大毅、そんな生やさしい男じゃ〜ありません。

この楽曲のなかには、対になったワードが所狭しと並んでいる。

 

1.「長くなった」/「短い」

2.「頭」/「つま先」

3.「スニーカー」/「スリッパ」

4.「先に君」/「あとから僕」

5.「可愛い」/「カッコいい」

6.「バニラかチョコ」

7.「白」/「黒」

8.「甘い」/「ビターで苦い」

9.「ソレ」/「コレ」

10.「告白した夏の夜」/「準備万端冬空」

11.「Yes」/ 「No」

12.「今も昔も」

13.「一か八か」

14.「頭」/「口先」

15.「有罪」/「無罪」

16.「ドライ」/「ベタつく」

17.「OFF」/「ON」

18.「理想」/「現状」

19.「ただいまおかえり」

20.「酸いも甘いも」

21.「あの手この手」

22.「oh good day」/「oh bad day」

 

「曲タイトルを対にしたからって曲中にこんなにも対のワード盛り込むなんて!もう!しげちゃんったら!!♡」とかいうやさしい話で終わっておきたかった。終わっておきたかったのよわたしゃ。

なのに重岡大毅さん、この恐ろしいほどの対で私のハートを滅多刺しにしてきたから黙ってられん。

覚悟しな。

 

先ほども述べた通り、これは「君」と「僕」ふたり の物語。人間がふたりいるわけだから、君が右でも僕は左なこともあるだろうし、君が正で僕が誤なことも、はたまたその逆もあるだろう。

でもそんな ひとり と ひとり が、歩み寄って ひとつ になろうとする。

世にいるカップルやご夫婦は皆、この愛のカタチに辿り着こうと努力する。

 

そういうカップルや夫婦の愛のカタチを、曲中に散りばめたのワードたちを ひとり と ひとり にみなすことでちゃ〜〜〜んと表現してくれちゃうんだよなァ〜重岡大毅!!!!!!!(泣)

 

「長くなった短い話」から始まる大量の対攻撃。襲ってくる対たちはずーっと あっちとこっち を向いてる。もしかしてこの子たち、「お前が西なら俺は東へ」派?(ハ?)

ずーっとずーっと反対向いてて、気付けば2サビ。あーあ、もう大サビも終わっちゃうよ?いいの?

なんて思っていたその頃。

ついに出たな、ラスボスめ。

 

oh good day... oh bad day...

oh good day... oh bad day...

oh good day... oh bad day...

oh good day... good day...

 

どっひゃ〜〜〜!!!!!(倒)

瞬殺された。一撃だった。

ひとつに、なった…………………………………

 

良い日も悪い日もあるよ。

①君にとっては良い日でも僕にとっては悪い日。②君にとって悪い日でも僕にとっては良い日。③君にとっても僕にとっても良い日や、君にとっても僕にとっても悪い日。いろんな日があるよ。でも君といれば、④「bad day」だって「good day」なんだよ。

そんなラブソングの王道メッセージをこの4行でうたうと同時に、1+1 は、2 という 1 になるのだと、究極の愛のカタチはコレだと、うたっている。

 

重岡大毅さん、天才?

 

この「good day」×2 を言いたいがために散りばめられた他の対たちも、それぞれがちゃんと仕事してるんです。欠かせないんです。

 

冒頭の「長くなった短い話」は、カップルって本当に些細なことからでっかい喧嘩を生み出すスペシャリストだよなぁ〜と思わせてくれるし、「スニーカー or スリッパ」で悩めるくらい「頭」「つま先」も冷えた(長いこと話してた)んだなぁ〜と「長い」の長さを具体的に、より鮮明に、教えてくれる。

 

個人的には1サビの「告白した夏の夜トリップ」と2サビの「準備万端冬空とリップ」が破茶滅茶に好き対。(好き対?)(“ごめんね”は先に君から言ってほしいのに告白は自分からする(した)重岡大毅さん、居ます。)

告白した日=ふたりの始まりの日と、準備万端 が、で対比になってるのもふたりの共にしてきた時間を感じられて最高に良いし、冬空が引き出したイルミネーションがOFFでもONでも 素敵さ君はダーリンダーリン」とかいう激ヤバフレーズを生んでくれたんだから、拝むしかない。

音数的には“ONでもOFFでも”だってよかったはずなのに、なんならそっちの方がメジャーなのに、わざわざ「OFFでもONでも」にすることで、〝だから“君は素敵さ”じゃなくて「素敵さ君は」にしたんだな?ハーン!?(泣)〟になるし、なったし、イルミネーションにかまけて君の素敵さを伝えるの世界中の誰よりもプロで白旗あげた…

しかも、「トリップ」「とリップ」になったことでその後登場するキラーパートの「キス」「セリフ」ってワードがキラッキラに、それはもうキラッッッキラに輝きて… 我、涙、ホロリ… キスとか、言うなァ…(言え……)

 

覚悟しなとか息巻いたくせに書いてるうちにズタボロにやられていく…『バニラかチョコ』を許すな…

 

 

重岡大毅は、使い分け の天才。

これ、淳太くんにインスパイアされたのかなと勝手に思ってニチャニチャしたんですけど。

気になってしまった。

Dメロから落ちサビにかけて突如として現れた、ひらがな表記の「いい」「ほら」

それまで1番も2番も「良い」「ホラ」だったのに、なぜここへきて急に、ひらがな!?!?

 

重岡くんは全く違うことを意図していたかもしれないけど、歌詞カード全体をボヤッと見たら私なりの答えが見えた気がするから、言うネ!!

 

「いい」「ほら」は、そろそろ溶けてしまいそうなアイスを持ち、玄関のドアの前でどうやってこの扉を開くかひとりイメトレしてる、「僕」なんですよね。

“しっかりついてこい”くらいがカッコいいのに

と思いながらも、「寝巻きスリッパ」な現状の、「僕」なんですよね。

リハ通りいけばそれでいい うんコレでいい あ〜

と、何度も何度も自分に言い聞かせ、それでも怖くて嘆かずにはいられない、縮こまった「僕」なんですよね。

 

対してそれ以前の「僕」は、「曖昧な時は 甘いチョイスをホラ」「大抵のことは 甘いアイスをホラって、若干高圧的。上からな気がするというか、マウント取ってます感を感じたというか、口角上げた重岡くんの「ホラよ。(笑)」って声が聞こえるというか…(コラ)

カタカナとか漢字って、見た目でもひらがなより少し尖って見えるし、そういう視覚的作用を利用したんじゃないかなと思わざるを得ないんですけど、重岡さんどうですか?(どうですか)

 

いやでもあながち間違ってないと思うんですよ!!

だって!だってサ!?大サビの最後、唯一出てくる彼女の台詞で、

「心配事の9割以上はホラ

 おこらないって言ったでしょ?」

って!!ねェ!?これはもう完全に形勢逆転ですよ「僕」さん!!!

 

ハイハイ よく笑うぜ のんきに

もうカッコつけても無駄です…

 

「先に君あとから僕が良い “ごめんね”」「曖昧な時は 甘いチョイスをホラ」「うんソレで良い」「大抵のことは 甘いアイスをホラ」「あんまりな事は ドライなチョイスさホラ」「大切なキスは 甘いセリフとホラ」「理想じゃ良い自分でも 寝起きスリッパ現状にドン引き」

「“しっかりついてこい”くらいがカッコいいのに」「幸いなことは 甘いアイスがほら」「リハ通りいけばそれでいい うんコレでいい あ〜」

 

彼女の手綱引いてんの俺だぜ?とか思ってるんだろうけど、喧嘩したら出ていくの彼女じゃなくて自分だし、「ほのかに口下手くらいが可愛いのに」とか「ほっこり鈍感なくらいが可愛いのに」と彼女の非に目をやるし、帰ろうとするけどドア開けるの怖いし、手綱引いてるフリしてるだけで実はメチャメチャ尻に敷かれてる「僕」、ちょっとダサいのに、愛おしい。

つかもうこのカップルが愛おしい。最高。

優勝。

 

あともう一個大好きなひらがな漢字使い分けパート言っていい?言うね。

「心配事の9割以上はホラ

 おこらないって言ったでしょ?」

この「おこらない」は間違いなく起こらない怒らないダブルミーニングなんだけど、なんだかとっても、ほっこりした。

「僕」には多分「怒らない」の方で聞こえたであろうこの言葉を、重岡くんが「おこらない」と表記したことで私には“不安の払拭”と“未来への展望”に聞こえた。

〝 この先また今日みたいなことがあったらどうしよう〜なんて心配いらないって!きっと未来には起こらないよ!ま、1割はありえるけどネ! ♡〟的な彼女の茶目っ気と男気にあっぱれ。

こんなことを言えるナオンになりたい…なりたいよ…

 

 

重岡大毅は、韻踏み の天才。

ラップ曲なんか?って言いたくなるぐらいジャカジャカ韻踏んでるんですけど、この人のボキャブラリーって無限なんですか?湧き水かなんか??

対ワード出しながら韻踏んで、語彙力の鬼すぎてカップ大喜利とかあったらぶっちぎりで優勝ですよアナタ。

 

韻踏んでる箇所全部出してもアレなんで、好きなところ、言わせて。

 

「バリエーション」「シチュエーション」「コミュニケーション」「イルミネーション」「シミュレーション」「ノンフィクション」の連打、凄ない!?!?

これだけのション(ション?)を出せるだけでもすごいのにすべての情景にピッタリハマるション(ション??)を引き出したのが凄い。怖い。スゴい。

 

「コンビニ」「ドン引き」「のんきに」、気持ち良すぎてお耳が大変に喜んだ。

これが1番のラスト、2番のラスト、そして、大サビラストのワードなの、本当に許せない。この韻ですべてをまとめてるとかもはや罪。神曲作りすぎの罪で逮捕。

 

重岡大毅って、天才??(2回目)

 

 

 

 

ここまでガチャガチャ言ったけど、シンプルに重岡くんの詞、音楽、良すぎるんだよな。(小2の感想)

喧嘩して飛び出し行ったコンビニの店員さんに自分の状況重ねるとか、拠り所にしている「おかえり」のないコンビニとぎこちなくても「ただいまおかえり」のある家との対とか、アイスクリームで時間軸出すところとか、「出し過ぎハンドクリーム」からカップルの教訓うたうとことか、「あ〜」を歌詞として使うとか、なんかもう、一生勝てない。

ハンドクリームのくだり、マジで好き。本当に、好き。「ベタつく空気が 君は好き うん割と好き」を小瀧さんにあてたの誰ですか?重岡くんですか?重岡くんですよね??理解ってる…………(泣)

こんだけ良い詞に、こんだけ甘いラブソングに、こんなにもポップでキャッチーなメロディーつけちゃう重岡大毅、アイドル界の草野マサムネ

この曲の肝とも言える「ダーリンダーリン🎶」、ほらもう勢い余って音符つけちゃうくらいのこのフレーズ、作曲者がそのまま反映されてんちゃうかってぐらいポップでキャッチーで、脳と耳に残るこのメロディー、最高に可愛くて悔しい(泣)重岡くんにしてやられた感がすごい(泣)悔しい(泣)(泣)

 

これは「白か黒か」をはっきりさせたいカップルの喧嘩あるあるソングではなく、あくまでも“あま〜いラブソング”。

バニラかチョコのバリエーションでふたりに課せられる「どっちにする?」って、メチャメチャ難しい問題じゃないですか。正解がわからないじゃないですか。

だからこそ「曖昧な時は甘いチョイスをホラ」で、「ビターで苦いのが僕は好き うんソレで良い」なんだけど、でも結局その時間って、超sweetyじゃないですか…。

バニラとチョコは決して同じ味ではないけれど、時にほろ苦いけれど、どちらもラストは 甘い というひとつの味覚に。

 

重岡大毅の、重岡大毅さんの、表現者としてのソレに、小瀧さんがあれだけ感服していた意味が、やっとわかった。

 

 

 

天才で鬼才だ、重岡大毅

 

 

 

2021.07.28(なにわの日

ジャニーズWEST 17thシングル『でっかい愛/喜努愛楽』発売日。