ここだけの話をしよう

世界が終わっても 君を終わらせないんだ

SUPER BEAVER道 フロム ジャニーズWEST

 

おはようございます。こんにちは。こんばんは。

はじめましての方も。お久しぶりですの方も。

 

今このブログを開いてくださったあなたに。

私に、歓びが、愛する人が増えた話を。

 

 

 

第1章 出逢い

音楽が好きだ。

J-POPと呼ばれる類のものが好きだ。なかでも邦ロック、と呼ばれるもの、いや、バンド音楽?というのか。カテゴリーや境界線の詳しいことはわからないが、とにかく、自分の胸を熱くする、アチアチの音楽が、大好きだ。

そんな私だが、(さまざまな推し遍歴を経て、)2020年2月からジャニーズWESTというアイドルグループの生き様を追ってきた。

「ジャニーズ」と聞くとあなたは“アンタの好きなもの、そこにある?”と思われるかもしれないが、音楽性より先にグループ性(※グループ結成秘話と今日に至るまでのグループの在り方)で私を沼に落とし込んだジャニーズWESTは、私がハマって4ヶ月後、今までの彼らでは考えられなかったような、私の“好き”に ドンピシャ なシングル『証拠』をこの世に投下する。

以後彼らの音楽路線、というか、彼らが魅せようとする面が思いっきり“コチラ側”に寄ってきて離れられなくなってしまった、というわけだ。

 

「お前がジャニーズWESTにハマった経緯なんざ聞いてねェよ。」

なんて声が聞こえる気もするが、“そんな私”が、SUPER BEAVERに転げ落ちた話をしたいと思ってこのブログを書き始めたので、ちょっとだけお付き合い願いたい。

 

彼らが『証拠』という曲を手にしたあと。

ジャニーズWEST 7枚目のアルバム『rainboW』に、『春じゃなくても』という楽曲が収録された。

「7」人が、大切にしてきた、「7」枚目のアルバムの一発目。一曲目。

そこに『春じゃなくても』という楽曲を提供してくれたアーティストこそ、

SUPER BEAVER  Gt. 柳沢亮太。

 

私はここで、はじめて「SUPER BEAVER」というバンドを、「柳沢亮太」という人間を知る。

私が今愛してやまない音楽の生みの親と、私が生きる理由を 約束を 未来にくれ続けているバンドと、私は 此処 で、出逢ったのだ。

 

 

 

第2章 命

ジャニーズWEST というアイドルグループを介して SUPER BEAVER に出逢った私だが、まだ、出逢った、だけ。

もちろんそれ以前にもジャニーズWESTは沢山のアーティストさんから楽曲提供を受けて曲をリリースしてきた。

彼らが楽曲提供を受けた分だけ、聴き手の私たちにも 出逢いの(チャンスの)数があったはず、なのに、じゃあ何故、私はそれまでのアーティストさんではなく SUPER BEAVER にどハマりすることになるのか。

 

単純に、シンプルに。

大好きだったんだ。

『春じゃなくても』

 

やなぎさんが紡いでくれた言葉が。やなぎさんが作ってくれた音楽が。音楽がもたらす温度感が。

大好きだった。

 

命を救われたと同時に、心臓を手掴みで持っていかれた感覚があった。

決して難しくない日本語たちの並び。決して多くない言葉数。

簡単で、短いのに、単語ひとつひとつに意味があって、力があって、愛があって、がある。

フル音源はまだ聴いていない、ラジオで一部が解禁された状態で、もうこの(↑)熱量で好きになってしまっていた。

 

何度励まされたか。何度救われたか。

数えだしたらキリがない。

 

私の中に宿ってしまったんだ。

『春じゃなくても』というが。

 

 

 

第3章 対峙

この『春じゃなくても』に対する「大好き!」が私の感情を大きく占拠していた頃。

タイミング良く、TBSの音楽番組『CDTV! ライブ! ライブ!』にてSUPER BEAVERが『アイラヴユー』を披露したO.A.を観た。たまたま。偶然。奇跡的に。

ここではじめて、私は SUPER BEAVERに、 SUPER BEAVERの音楽 に、出逢った。触れた。

 

『春じゃなくても』を作ってくれた柳沢さんって人はボーカルじゃないってこと。

つぶらな瞳 × 髭のドラマーがいるってこと。

派手髪のベーシストがいるってこと。

めちゃくちゃ綺麗なロン毛とバチバチメイクでカリスマ性をミリも隠しきれていない、歌唱力・表現力ともにバケモンのボーカリストがいるってこと。

言葉にがある音楽やってるってこと。

 

はじめて見るSUPER BEAVER

はじめて知るSUPER BEAVER

ビジュアル的にも 音楽的にも ぶっ刺さって抜けない衝撃が、私の 好き が詰まりに詰まったSUPER BEAVERが、私の心臓を昂らせていた。

 

褒められたらありがとうでいい

嬉しい時は嬉しくていい

口癖のように謙遜してばかりじゃ

心が痩せちゃうぜ

 

気づいたらそこにあったレシートの裏に歌詞メモってんだもん。ビックリしちゃうよネ。

 

そしてまたまたタイミング良く、『春じゃなくても』に対する「大好き!」をTwitterで呟き散らかしていたら、あるフォロワーさんから、ひとつのマシュマロが届いた。

 

このマシュマロを頂いてすぐ、YouTubeという現代文明の恩恵を受け、観た。聴いた。

『人として』。

 

「鳥肌が立つ」の最上級を、経験した。

自分が追っているわけではないアーティストのライブ映像を観て、涙し、鳥肌を立て、ぐわっと画面の中に、バンドの中に引き込まれる感覚。

はじめてだった。

 

SUPER BEAVERと私が、出逢ったのだ。

何も介さず、直接、対峙、したのだ。

(されど私がSUPER BEAVERにぶちのめされた直接的要因となる出逢いは、もう少しだけ、先のお話。)

 

 

 

第4章 待ち合わせ

SUPER BEAVERの音楽活動に脇目を振る暇もないほど、ジャニーズWESTの活動は怒涛だった。

7枚目のアルバム『rainboW』のフラゲ日前日に、次作、16枚目のシングル『サムシング・ニュー』発売の情報解禁。

 

アルバムが明後日発売されるってときに、その次に待つシングル発売をお知らせしてくる陣営。

ふふふ。嫌いじゃない。

 

これだけビッグネームになったあいみょんとの、6年ぶりの再タッグ。

なんとめでたい。有難い。

 

と、感心だけできたなら、どれだけ幸せだったろう。

 

c/wに収録されているある楽曲が、レコード会社がc/wで第一に推している楽曲が、自分の目を疑って仕方ない提供元が。

なんと、なんとまさかの、

SUPER BEAVER 柳沢亮太 提供、

 僕らの理由

 

長らくジャニオタをしてきた身として言わせてもらうが、ジャニーズが2作連続で同じアーティストさんから楽曲提供を受けることって、ない。

ないと断言してしまうと嘘になるが、常に “新しい色” を求めるあの事務所において、独自に確立した毛色・スタイルを持つアーティストさん(殊バンドさん)から2作連続で提供していただく、なんて、間違いなく、まァ〜〜〜珍しい事象である。

 

『春じゃなくても』の音源が手に入る前に。

『春じゃなくても』をフルで聴くより先に。

SUPER BEAVER × ジャニーズWEST が約束されてしまった。

 

殺す気…?

 

SUPER BEAVERの音楽が好きだ、という自覚を持ってから受けたこの情報は、私にとって初タッグの時より何倍も、何十倍も幸せなものになっていた。

音源が手に入る前にあれだけ好きだと言ってるタッグを、フルで聴くより先に大正解が見えてしまっているタッグを、次作でもまた聴かせてもらえるってのかい…?

ただジャニーズWESTを応援しているだけでそんな幸せすぎる恩恵を受けることが許されるのかい…?

 

1ヶ月半後。

私は最高の未来との、SUPER BEAVER × ジャニーズWEST との、再会の待ち合わせをした。

 

 

 

第5章 最強

怒涛の情報量に溺れ 混乱の渦から脱する間も無く、翌日には7thアルバム『rainboW』を入手。

すなわち、やっと『春じゃなくても』の完成品が私の手元にやってきた。

 

コンポの電源を入れ、CDのビニールを剥き、ケースから慎重にCDを取り出し、鼓動を早めながらCDをセットし、再生ボタンを押したあの瞬間を、私は【一生忘れられない感動の瞬間ベスト3】に選出したい。

 

大号泣 した。

文字通りの、大号泣。

 

CDを再生した瞬間に泣く、なんて経験、22年も生きてきてはじめてだったもんだから、軽く、いや、酷くパニックに陥ったが、ジャニーズWESTの力と、SUPER BEAVERの力、双方を100%で吸収したとき、「音楽って、凄まじいなア。」と思えた自分がいた。

(『春じゃなくても』が如何にたまらんかは以下のブログで綴っているので、該当箇所だけでもご覧頂けましたら。)

lipkun.hatenablog.com

lipkun.hatenablog.com

 

 

SUPER BEAVER × ジャニーズWEST = 最強 】

こんな陳腐な方程式を堂々と世間に言いふらしたくなるほど、私にとっての最強タッグがひとつの最強音楽を生み出した。

 

 

 

第6章 再会

『春じゃなくても』を無事体内に取り込んでから約10日。

次の待ち合わせの日時までを長く感じていたその頃、またまたYouTubeという無料媒体にとんでもないもんが投下された。

 


www.youtube.com

 

SUPER BEAVER 柳沢亮太 提供 『僕らの理由』の、Live Recording 映像。

SUPER BEAVER × ジャニーズWEST、2作目。

音源が解禁されるよりもずっと先に【Live Recording】と銘打って公開されたこの映像は、当時ドン底に落ちていた私をそれはそれは眩しく、温かく、照らしてきた。

 

こんなにも熱苦しく歌い上げてるのに、こんなにも炎むき出しでぶつけてきてるのに、固く閉じた手を無理に剥がして引き上げるんじゃなくて、ただそっと、手を伸ばしてくれた。

「掴めるなら掴んでいいよ。絶対引っ張ってあげるから。」って、言ってくれた。

 

大袈裟だと言われても。嘘だと思われても。

この曲に生かされた人間がここに居る。

 

この映像が公開されてから約1ヶ月後、やっと新盤が発売されフル音源を聴いた。

YouTubeで解禁された映像では歌われていなかった2番の存在。

YouTubeで解禁された映像ほど荒っぽさのない洗練された歌声の熱さ。

やなぎさんの想い。

 

宝物、だった。

 

SUPER BEAVER × ジャニーズWEST の再会は、私にとってはもちろん、ジャニーズWESTにとっても莫大なもので、彼らはアリーナツアーの大事なセクションにこの曲をぶち込み、初めて出た野外フェスでも邦ロファンを全力で煽りながらこの曲を披露し、初ドームツアーでも例外なくセトリに組み込んだこの曲を轟かせていた。

この曲を歌う彼らはいつにも増してすべてを解放し、ただひたすらに、目の前にいる「あなた」に、“ジャニーズWESTが歌い続ける理由” を歌っている。

これ、SUPER BEAVER、居るよね、根本に。

あなたのためにしか歌わないSUPER BEAVERから、彼らはすべてを、一部の全部をすべて受け取った。提供曲でありながらそこにある言葉は誰にとっても嘘偽りのない言葉で、だからこそ真っ直ぐに燃えている。

 

SUPER BEAVERジャニーズWEST の再会は、双方がさらにパワーアップした結果、末恐ろしく大きな宝物を生んだ。

と、思っていたのだけれど。

あとから聞いた話だが、この 再会 は、実は 再会 ではなく、はじめまして、だったらしい。

 

はじめて楽曲提供をお願いしてやなぎさんに作っていただいたのが『僕らの理由』。

で、それがあまりにもジャニーズWESTにハマりすぎたために、ジャニーズWEST陣営が「もう1曲ください!!」などという無理を言った結果、本来SUPER BEAVERで歌おうと思っていた『春じゃなくても』を、提供してくださったんだとか。

リリース時期は戦略なのかなんなのか前後したものの、そんな経緯だったらしい。

 

嬉しいにも程があるだろ。

 

どちらにせよ、私にとってこの 再会 は、人生における、という壮大な枕詞を置きたくなるほど、大きな宝物となったのだ。

 

-追伸-

そんな経緯があったと知ってしまえば欲が出るのが人の性。

いつかSUPER BEAVERの『春じゃなくても』セルフカバー、聴きてぇもんです。切実に。

 

 

 

第7章 再再会

『僕らの理由』から約10ヶ月後。

ジャニーズWEST 8枚目のアルバム『Mixed Juice』の最終トラック。

そう、また。いや、またまた。

現れたのだ。最終トラックに。アルバムをまとめ上げる、大切な大切な場所に。

SUPER BEAVER 柳沢亮太 提供、『つばさ』

こんなことがあるのだろうか。ジャニーズ事務所に所属するあるひとつのグループを応援していて、あるひとつのバンドと3度もクロスオーバーするなんてそんなこと、起こり得るのだろうか。

 

起こり得てしまったのが、SUPER BEAVERジャニーズWEST、なんだけれども。(得意気)

 

例にならって、これまた発売前に【YouTube Original Recording】とやらが世に放たれた。


www.youtube.com

 

大切そうに、はたまた楽しそうに歌う彼らに、結局私は涙して。

3作目にして、やっぱり最強で。

3作目にして、いちばん「SUPER BEAVERっぽい」楽曲で。

 

SUPER BEAVERっぽい、というのは、ある意味コワい表現であるが、私はそのコワさを 良さ で塗り替えてきたSUPER BEAVERジャニーズWESTの両者にただただひれ伏すことしかできなかった。

 

SUPER BEAVERっぽいなら、ジャニーズWESTが歌う必要なんてあるのか。SUPER BEAVERが歌えばいいのではないか。

ダメなんだよ。

ジャニーズWESTが歌わなきゃダメなんだよ。SUPER BEAVERっぽい楽曲を、ジャニーズWESTが歌わなきゃ、ダメなんだよ。

なぜか、と問われれば。

「知れば知るほど広がる世界」があるから。「触れれば触れるほど知らない自分」がいるから。という理由しか私には差し出せないけれど。

ジャニーズWESTを好きな人間がSUPER BEAVERの音楽に触れる機会なんて、両者が交わらない限りなかったかもしれない。逆も然り、SUPER BEAVERを好きな人間がジャニーズWESTの音楽に、まして“ジャニーズ”の音楽に触れるなんて、ありえなかったかもしれない。

SUPER BEAVERっぽい楽曲をジャニーズWESTが歌うから、ジャニーズWESTを好きな人間が、SUPER BEAVER という知らなかった世界を知り、知らなかった自分に出逢うキッカケになりえる。勿論こちらも、逆も然り。(あくまでも キッカケ にすぎず、万人が提供者を掘り下げるとは限らないけれど。(何度でも言うよ?逆も然り。))

私は幸運にもそんなキッカケにめぐり逢い、キッカケから愛がはじまった人間だ。

SUPER BEAVERというバンドに、柳沢亮太という音楽家に、ジャニーズWEST というアイドルグループを介して出逢い、2組が掛け合って生まれた音楽をこよなく愛し、自分は何が好きなのかを再認識した。

2組の再再会が、私に「知らない自分」を見せてくれた。

 

よくある話も当事者にだけは

絶望にも幸せにもなるから

 

コレ、コレコレ。

コレだよコレ。

 

人生においていちばん基本的なことを、誰かと生きる上でいちばん胸に刻んでおかなければいけないことを、改めて言葉にされた。

忘れちゃいけない。絶対に。

 

こういう音楽を説得力とともに表現できる人を好きでいたいし、こういう音楽を作れる人を好きでいたい。

だからジャニーズWESTが好きで、だからSUPER BEAVERを好きになった。

 

再再会。

3度も 此処 で出逢ってくれて、ありがとう。

 

ジャニーズWESTが歌う『つばさ』を好きな理由も下記ブログに綴ってありますので、もしよろしければ。)

lipkun.hatenablog.com

 

 

 

第8章 足

さてさて。

ここまで長ったらしく語ってきたが、「結局ジャニーズWESTが好きなんジャン。」のブログでしかない。

まアまア。焦りなさんな。本番はこれからよ。(前置き長ッ)

 

アルバム『Mixed Juice』を引っさげたツアーも終わり、初フェス、初ドームツアーも終わり、2022年のジャニーズWESTの音楽活動が一旦落ち着いた頃。

出るんですよ、音楽現場禁断症状。

「ンンンンン現場行きたい!」のフェーズ。アブナイね。

 

9月にひとつフェスに参加したものの、なんの予定もない冬が寂しく、さまざまなチケットサイトで面白そうな現場をチェックしていたそんな時、たまたま目にしたお知らせが、私を運命の場所に導くことになる。

 

BUZZ RHYTHM LIVE '22

Day2 出演アーティストに、「SUPER BEAVER」の文字。

 

「え、行きたい。」

 

ただそれだけの衝動に突き動かされ、一般最終抽選に滑り込み、(ぴあ確率アップチケットを使い)見事チケットGET。

この時はじめて、私は自らの足を使ってSUPER BEAVERのステージを観に行くことになったのだった。

 

迎えたライブ当日11月6日。

いちばんのお目当てがSUPER BEAVERであることに違いはないが、オーラル、バニラズ、スカパラ、ユニゾンもそれはそれは楽しみだった。

横アリ最後方から観るステージはどのバンドも圧巻で、ひとつとして同じ音楽は存在せず、どの瞬間もフロアがそれぞれに音を楽しんでいた。

UNISON SQUARE GARDENgo!go!vanillasTHE ORAL CIGARETTES東京スカパラダイスオーケストラ

一心不乱に楽しんでいるうちに、気づけば4組のステージが終わっていた。

…あぁそうですか、トリですか。

妙な緊張感と謎の覚悟を抱きながらスカパラからの中空きを過ごし、さア、いよいよ。

BUZZ RHYTHM LIVE '22のトリを飾るは、何を隠そう SUPER BEAVER

 

無意識のうちに期待値ばかりが大きくなっていた。この期待値を超えるステージってどんなんだ?と思うほどに。

残念なことに、めちゃくちゃ楽しみに生を浴びに行ってみたら「…☺️」みたいなことになるライブも何度か経験してきたし、「音源は、好き。」みたいなバンドも、正直、居る。(超小声)

SUPER BEAVERに限りそんなことはないだろう、と思っていた。だけど、そんなことを思っていた自分が怖かった。期待の最低ハードルが高すぎる。

もう一度言おう。この期待値を超えるライブってどんなんだ?上回るとか、ある??

今思えば、どう考えても余計なお世話だ。本当に。余計すぎる。

 

自分の足使って会いに来たここ横アリで、今この瞬間から、私の人生最大と言っても過言ではない30分が、はじまる。

 

 

 

第9章 30分

客席の照明が落ち、BGMと共に歩いて出てきたGt.柳沢亮太。Dr.藤原“34才”広明。Ba.上杉研太。

それぞれのポジションに着いて、それぞれの楽器を構える3人。

3人の準備ができた頃、一歩一歩ゆっくりと、陽を浴びるかの如く会場の大喝采を浴び、起きがけに洗面所に向かうかの如くステージのど真ん中に向かって歩いてくるは、Vo.渋谷龍太。

理由も根拠もわからない。

ただこれだけで、この一連の動作だけで、嘘のように身体が震えた。

これが武者震いってやつなのか。

 

1曲目、『名前を呼ぶよ』。

ギターリフに襲いかかる会場のクラップ。

2万のクラップを、こんなにも巨大な波を、同時に入ってくるベース、ドラム、そしてボーカルが、一瞬にして余裕綽々と喰っていった。

何よりもまずシンプルに、「ここまでちょうだい…!!」と願ってしまうような音をドンピシャで最高打点で打ち込んでくれるボーカル力に、圧倒、されたような気がする。

なぜ「気がする」と表現したのかと言われれば、彼の声を、彼の歌を生で聴いた衝撃があまりに大きく、考えるより先に“たまんねぇ…”と心が騒ぎ、その分記憶をなくしていたから、としか答えようがない。

覇王色の覇気?シャンクス?シャンクスなの?ねェ。

1曲目にして、止まらない昂りがあった。

「会いに来たぞ!」なんて、やめてくれよ。私が会いに来たってのに。

 

Represent Japanese Pop Music From Tokyo Japan!ライブハウスから来ましたSUPER BEAVERです!!」

なんつうデカい看板背負ってんだこの人ら。と思った。だけど、それは彼らにとってまったくデカすぎる看板ではないということ。たったの30分でまざまざと見せつけられることになろうとは。

 

2曲目、『青い春』。

「アリーナでのライブ、お疲れ様でした。こっからはライブハウス。よろしく。」

アリーナという会場に居て、アリーナのステージに立っていて、“ライブハウスよりも大きな会場で音楽演ってる俺たちカッケェ” じゃなくて、“より大きな会場をライブハウスの熱量に持ってく俺たちカッケェ” なの、筋が通りまくっててバカカッケェ。って思っちゃった。目にしてまだ5分そこらだぞ。

フロアのクラップが最高で、音楽を愛する者たちの一体感にすらやられてしまいそうだった。

 

「歳を重ねるごとに楽しむってことが難しくなったりするもんだから、もう一回楽しむってことを思い出してもらおうと思ってこの場所立ってます。」

「学生の時分とか、俺はライブハウスに行くの好きでした。すっげぇ楽しかったです。音楽っていいなって思って、35までこうやって生きてます。だけど来てくれって頼まれて行ったライブなんて1度たりともなかった。今俺たちがこの場でできることは、俺たちが最大限に楽しんだその上で、あなたに楽しんでもらうこと、それだけ。」

「18年目の新人SUPER BEAVER。バンドマンっつうのはどういうもんか、見てもらおうと思って。」

「1個だけやりたいことがある。最後まで通して、俺はあなたと音楽がやりたいと思ってます。」

言葉に力がありすぎた。まだ2曲しか終わってないってのに、私の心が歓びすぎていた。

 

カッッッッコイイ。。

 

3曲目、『美しい日』。

2万のクラップが響いてなおノーマイクで最後方にまで届いてくる渋谷さんのアカペラ。なんつう歌唱力。

なんて感動も束の間、ここへ来てまさかすぎる機材トラブル発生。

渋谷さんのマイクは音切れに苛まれ、やなぎさんのギターはまったく音が入らない事態。

それでも止まらない、止められない音楽。ベース弾きながらリーダーも笑うしかないこの状況。

正直フロアの方が「お、オイ…!?」となっていた気がする。

そんなフロアをも、そんな空間をも見事に自身のものにしてしまうのが、渋谷龍太という男。

「なんかさァ?機材めちゃくちゃ調子悪いみたいで、俺元気なくなってきちゃってさぁ。大丈夫?俺もっと元気づけてもらいたいなって思ってるんだけど。おそらく、あなたと一緒に鳴らしてる音楽だから、あなたありきの音楽で、あなたが補ってくれると信じてるよ?一緒に作ろうぜ音楽。やろうぜ横浜!」

たまらなかったね。痺れたね。

機材トラブルまで仕組まれてたんじゃないかと疑ってしまうほどの2番以降の一体感。もはや快感に近いものがあった。

 

4曲目、『ひたむき』。

「おかげで元気戻ってきましたァ!!あなたからもらったその気持ちは、今日のうちに100倍にして返そうと思ってる。次新曲やるんで受け取ってください。」

いやもうトラブルからの流れが綺麗すぎねぇか!?!?!本当にトラブルだったんだよね!?!回収の仕方プロすぎるね!?!?!

渋谷さんのハイキックとともに締まった曲。渋谷さん振り向きざまの「ありがとう♡」。

↑もうわかるよね、そう、惚れたの。(え?)

 

「あなたに伝えたくなったら、あなたに伝える以外の方法を知らないから、こうやって、一生懸命やらしてもらってます(笑)」

「音楽を聴かせてやってるじゃなくて、音楽を聴いてやってるでもなくて、音楽を聴いて頂いてるじゃなくて、音楽を聴かせて頂いてるでもなくて、同じレベルで歓びたいって思うから、この先も、来てくれとは頼まないので、ドキドキしたら、ワクワクしたら、俺たち、のみならず、いろんなライブ行ってみてください。もしかしたら俺たちよりドキドキさせる奴がいるかもしれない居ないと思うけど。」

「18年間、助けてもらって、支えてもらって、本気でやり続けるとこうなるっつうのをあなたに見てもらいたくてこの場所いる。」

「俺たちは今日、トリを仰せつかるバンドとして、紛れもなくあなただけに聴いてほしい。」

 

5曲目、『人として』。

先述したように、かつてYouTubeで観たはずなのに、何度かサブスクでだって聴いたはずなのに、こんなにも距離があるのに、まるで真隣から私に向かって歌われているかのようなあの感覚。

あのとき心臓に直で突き刺さったものは、その場で抜いたら血が吹き出て生きていられなさそうだったのでやめておいた。

止まらない涙があったのは、2万人の前でステージに立って楽器を弾いたり歌を歌ったりするでもない、居ても居なくても別に大して変わらないようなこんな私だって、いつもそばにいてくれる大切な人たちの前で「かっこよく生きていたい」から、だと思う。

 

渋谷さんの「愛してる」2連発は、どうしてこうも説得力を帯びているのだろう。

「元気だろうが、元気じゃなかろうが、生きてりゃまた会えるから。その日を夢見て。アイラヴユー。」

 

6曲目、『アイラヴユー』。

私がはじめて、初めてSUPER BEAVERに触れた、出逢った、あの曲を。

私が「会いに行きたい」と思って会いに来たはじめてのこの場所で。

泣くのなんてズルいと、泣くのなんてカッコ悪いと、辛い苦しいしんどいをすべて耐え忍んで笑って誤魔化してきた自分の今までに、「泣いて 泣いて 泣いて 泣いて 泣いて 泣いて 泣いて 泣いていいよ」と、どんだけ泣いたって「愛してる」と、そんなことを歌われて、黙っていられるわけがなかろう。

「出逢えてよかった」

心の底から、命の底から、声に出さずに想いを叫ぶってのは、100%届いている保証がなくて寂しいけれども。

 

たった30分。

紛うことなき 人生最大の30分 が、横アリに在った。

 

欲深き人間だもんで、フェスという場でSUPER BEAVERに出逢った私に、直後生まれた新たな欲求。…欲求?いや、これはもはや使命感。

 

“ワンマン、行かなきゃ。”

 

 

 

第10章 Twitter

ジャニオタとしての歩みが長いせいか、何かに対する感情や感想、大事なもののすべてはTwitterという媒体に遺してきた。

今回のバズリズムライブも例外なくひっそりどこかにしたためた。(先述したセトリや渋谷さんの言葉たちは、あの日まだ記憶が新しいうちにしたためたあの場所から掘り出してきたものである。)

そして気づく。

SUPER BEAVER、公式、あるよな?」

そそくさと公式Twitterを探し、秒でフォローボタンをプッシュ。

嗚呼、なんというオタク体質。

 

好きを認め、足を使って会いに行き、さらに大好きになって帰ってきた私。

ここまでくればあとは 落ちるとこまで落ちてやる の意気込み。間違えて頂きたくないので先に言っておくが、これは決してこれからスカイダイビングをする人の意気込みではない。

公式アカウントをフォローしてみるとあら不思議。なんだか楽しそうなお知らせが毎日のように流れてくるではないか。

音楽番組、雑誌、ラジオ、etc...

ドキドキとワクワクを掻き立てられる毎日のある1日に、私はTwitterを見ていたとは思えない莫大なドキドキに支配されることになる。

 

 

前章の最後に残した一言を覚えているだろうか。

私に芽生えた新たな欲求を、私が抱えていた大きな使命感を、覚えているだろうか。

そう。私は、SUPER BEAVERのワンマン を欲していたのだ。

SUPER BEAVERのワンマンライブに、どうしても行ってみたかった。行かなければならないとまで思っていた。

 

そんな時の、コレ だ。

明日、当日券販売だって…?

 

即座にスケジュール帳を開く私。

明日の欄は澄んだ空のように綺麗な空白だったが、おっとうっかり。家でNetflixにお世話になる、たまにAmazon Primeにお邪魔するといった二大イベントの存在を忘れていた。むむむ。どうしたものか。

狭間に揺れる私を察知したのか、先方は私が月額という賄賂を払い続ける限り24時間365日受け入れ態勢を整えているため、明日はリスケ可能との爆速提案。なんと有難い。柔軟な対応、感謝します。

 

ともすれば。

有明アリーナ。

チャレンジしない手は無い。

 

翌日12時。

6時間後の幸せを掴むべく。手に汗と携帯を握りしめる。

 

ありがとうネトフリ。ありがとうアマプラ。

リスケのおかげで、私、幸せになれそうです。

 

2022年12月10日 午後12時2分。

SUPER BEAVER 都会のラクダSP〜東京ラクダストーリービヨンド〜』@有明アリーナ Day1。

当日券獲得。

 

 

 

第11章 出逢い本番

チケットを手に入れるや否や始まる、時間との戦い。

顔を作って、着替えて、会場への行き方確認して。そもそも有明アリーナって、どこ?所在地すら知らずにチケット取ってんだから恐ろしい。

そんなこんなで会場に向かい、どういうわけかこの場でWESTのアカウントのフォロワーさんとはじめましてする。…うん。なんで?

席に着いてしばらく。

「来てしまった」と思っていた。

藤原さんが何度も出てくるモニターを見ながら。「SUPER BEAVER」と書かれたビーバーを見ながら。どこを見てもビバTなファンの姿を見ながら。めちゃくちゃ空いているトイレに少しだけ並びながら。

もう後には引き返せないところまで来てしまった。

だとしたら、楽しまない手はない。

 

バスリズムライブで手に入れたラババン、そしてこの日手に入れたラババンをガッツリ装着し、いざ、決戦。

 

オンタイムで落ちゆく客電。あの日と同じように、まず先に楽器隊3人が登場する。

それぞれに楽器を構えれば、これまた恐ろしい覇気を纏った男が、ステージ中央に向かって、さらにアリーナ中央に向かって花道をふらふらと歩く。ただ真っ直ぐにふらふらと歩く男を、左右のライトが追いかける。嗚呼、なんと美しい

有明アリーナのど真ん中。

東京の片隅に、『東京流星群』が光り輝いた。

 

スペシャル』。『your song』。

“いつか聴けたらいいな”の二大巨頭だった。どちらも、叶ってしまった。

 

高く高く手を掲げて気持ちを届ける曲も、飛び跳ねて気持ちを届ける曲も、ただもんじゃないクラップで気持ちを届ける曲も、ただじっと見つめて気持ちを受け取る曲も。

2時間まるっと、SUPER BEAVER

 

ワンマンに行ったんだ。一から十までSUPER BEAVERじゃなきゃ困る。そんなことはわかってる、わかっているのだけれど、それでもどうしても、言いたいんだ。

一から十までSUPER BEAVERだったあの2時間。

ビックリするほど幸せだった。

ドキドキした。ワクワクした。チクリともしたし、ハッともした。

温かくて、優しくて、なのに時々ちょっとだけ痛かったのは、見ないようにしてきた自分の弱さにも彼らの音楽が忍び込んできたからだと思う。

 

「志を持つってのは素晴らしいことですね。夢や希望を追いかけるってのは素敵なこと。

でも、それを過大評価はしちゃいけないね?

夢や希望なんてものがわからなくたって、決して間違いじゃない。

もちろん夢や希望・目標を追いかける人ってカッコいいなって俺は思ってるし、心の底から、そういう人たちの背中を押していきたいって思ってる。

けど夢や希望なんてなくて、何を追いかけていいかわからないって人も居ていいと思う。何も間違ってない。

そういう人たちのことも、俺たち置いていかないから。誰ひとり置いていかないから。

もちろん無理についてこい!なんて言うつもりはないです。

俺たちは背中を押したり、時にギュッと手を繋いで歩いてみたりするけど、もし俺たちが伸ばした手をあなたが掴んでくれるなら、俺たちは絶対に離さないから。

助けたいし、支えたいと思ってここに居る。

その代わり、助けられに、支えられに行くこともあるかもしれない。

持ちつ持たれつ。助け合って、支え合って生きていきましょう。

俺たちは、そんな音楽がしたい。」

 

「あなたたちじゃなくて、あなたに、本気であなたに聴いてほしくて音楽やってます。

どうしたらあなたの隣で歌えるかって、ずっと考えてきました。」

 

「バンドマンの本気の「愛してる」聞いたことあるか?」

 

これだけ欲しい言葉を、その場で言葉にして私たちにくれる男が、フロントマンとして、ボーカルとして、音楽 をやっている意味は。

4人が、4人で18年、SUPER BEAVERで居る意味は。

 

そこのあなたのそばに居るため。

そこのあなたを、愛するため。

 

きっとそんなところだろう。嗚呼、なんと美しい。

 

SUPER BEAVERの音楽を、SUPER BEAVERの言葉をひたすらに浴びたこの2時間。

ぶちのめされた、という表現がおあつらえ向きかもしれない。

 

この音楽にずっと溺れていたいと思った。

この言葉をずっと聴いていたいと思った。

この感覚をずっと愛していたいと思った。

この感情をずっと抱いていたいと思った。

 

私は、SUPER BEAVER と、出逢った。

 

 

 

第12章 それから

ワンマン後の冷めやらぬ興奮は、翌日に私を友の会に入会させ、まだ残っていた地元のホールチケットを購入させ、Twitterのビーバーアカウントを開設させるほどだった。

SUPER BEAVERの音楽を聴いた。

結成18年目にしてハマった私が追いかけるには決して少なくない曲数だが、サブスクなんつうありがたい媒体は私を簡単にSUPER BEAVERで溺れさせた。

どの曲を聴いても。いつの曲を聴いても。

嘘みたいに、大好きなんだ。

信じられないくらい、すべての曲が大好きで。信じられないくらい、すべての言葉がぶっ刺さる。

ここに居たいと叫ぶ心が、ここが好きと叫ぶ心が、美しいと思えた。

その心こそ、自分が持つ唯一の美しさかもしれない、と。

 

都会のラクダを読んで流した涙は愛を深め、

コロナ禍の自宅のラクアーカイブを観て、メジャー再契約発表の瞬間を観て流した涙は愛を固め、

SUPER BEAVERの音楽を聴いて流した涙は、愛を燃やした。

 

Zepp Hanedaという場所で、映像でしか見たことがなかった“声が出せる現場”になった瞬間のあの渋谷さんの涙を、あの瞬間のSUPER BEAVERを、あの現場を、死ぬまで忘れないと宣言したい。

いや、死んだって忘れてやらねぇ。

 

年間100本。現場至上主義。胸張って音楽稼業。

高校時代に組んでメンバーチェンジなし。結成18年目の新人。

〝Represent Japanese Pop Music From Tokyo Japan〟

発信する何もかもが重たくて、何もかもが一生懸命で、何もかもがカッコイイから、受け取るのだって簡単じゃない。

だけど、いや、だから、負けじとカッコよくいたいんだ。

追いかけながら、手伸ばしながら、どんなに無様な格好でも、カッコ悪くても、生きること・愛することだけは懸命に、大切にしていきたいんだ。

 

だって、だって。

かっこよく生きていたいじゃないか」。

 

2023年2月17日。

今日、私は24歳になった。

 

24歳の私がかっこよく生きるために。

24歳の私があなたの自慢になるために。

 

吹けば飛ぶよな女だが、ジャニーズWESTから吹かれ吹かれて辿り着いた場所が、此処、SUPER BEAVER

嗚呼、なんと美しい。

 

ジャニーズWESTから来ました、ビーバーファンです。

お世話になります。

 

ながく、永く。

 

 

 

2023.02.17